WPA SEWING ROOM
WPA の大規模なプログラムのなかでは、労働に従事するブルーカラーのワークウエアが製造された。
それは「SEWING ROOM」と呼ばれる縫製室で作られ、衣料には「Made by W.P.A. SEWING ROOMS, NOT TO BE SOLD」(雇用促進局縫製室製品、売り物に非ず)と記載されたタグが付けられた。
縫製室のあった州では各州で、裁縫師たちは自分の仕事に大きな誇りを持ち「W.P.A.」のイニシャルは「We Patch Anything」(なんでも縫う)の略であると宣言。
時には軍隊の衣料を修理し、アレンジして新しい衣服を作り、それらは「WPA」の労働者が着用した。
そんな「WPA」の衣料は、デザインと縫製仕様が実に興味深い。
デザインのベースはミリタリーワークウエアで、多くのアレンジが施されていること。
縫製仕様は「SEWING ROOM」の名の通り、当時ワークウエアで主流だった「還縫い」ではなく「本縫い」が多用されていることである。
第二次世界大戦によって工場に軍需が生まれるまでの、牧歌的なぬくもりがそこにはある。